私の糖尿病日記

お話をお伺いした方

東京都 O.Yさん (59歳)男性

2度と入院生活はしたくない。毎日の生活を見直し、健康を維持。


D.ヴォイズ

Oさんが糖尿病になったのはいつですか?

Oさん

今、振り返って考えると40代の中頃には糖尿病になっていたかもしれません。会社の健康診断で高血圧と高血糖を指摘されて、病院で精密検査を受けるように言われました。

D.ヴォイズ

それで糖尿病だとわかった?

Oさん

いえ。恥ずかしい話ですが、実は会社からの指導を無視して、病院には行かなかったのです。なので、このときは糖尿病ときちんと診断されていません。忙しいこともあり、健康にも自信があったから、気にしなかったのですね。糖尿病という病気は知っていましたが、その怖さは知りませんでした。
ウチの会社には診療所があって、そこで血糖を下げる薬を出してもらっていました。でも、それもちゃんと飲まなかった。治療が大切だと当時は思っていなかったのです。もしかするとすでに30代のころから糖尿病予備軍だったかもしれません。

D.ヴォイズ

その当時はどんな生活を送っていたのですか?

Oさん

1980年代の後半、私が20代後半から30代にかけては当時CMで有名だった「24時間、戦えますか?」の時代。バブル期ですね。仕事に遊びにまさに24時間飛び回っていました。移動はもっぱら車。歩くのはせいぜい自宅から最寄り駅まで。お酒はあまり飲む方ではないのですが、同僚やお客さんと深夜までつきあって、締めはラーメン。不規則な食事と運動不足ですから、健康に良いとは言えません。
42歳の時の記録を見ると、血圧が132−102mmHgで高血圧、49歳では154−106 mmHg、HbA1c 7.4%となっています。50代になって、さすがに健康が心配になり人間ドックを受けました。そのときに大腸にポリープが発見され、良性だったのですが、念の為切除しました。

D.ヴォイズ

人間ドックで糖尿病とは言われなかった?

Oさん

今記録を見ると、その時の空腹時血糖値が177mg/dlだったので、指摘されたとは思うのですが、覚えていません。糖尿病は自覚症状がないので、自己判断で軽視してしまったのかも。家族も含めまわりには誰も糖尿病にかかった人はいなかったので、自分も大丈夫だと過信していたのだと思います。健康に気をつけてはいたのですが、海外出張にも度々出かけ、不規則な食事習慣がつづき、仕事のストレスもなかなか解消することはできなかったですね。

大病が自身の生活を見直す大きなきっかけに。

D.ヴォイズ

健康を見直す大きな転機があったそうですね?

Oさん

55歳のとき、深夜に急性心筋梗塞を起こして、救急車で病院に運ばれました。ひとつまちがっていたら死んでいてもおかしくなかった。後に糖尿病の合併症だと言われました。心臓のバイパス手術をして約2ヶ月入院。入院中、新型コロナでもよく話題になる人工呼吸器をつけていたんです。心臓への負担を軽くするために。ずっと管をくわえているのだけど、自分の力で呼吸をしていないということがとても不安だった。万一、人工呼吸器が止まってしまったら、僕は死んでしまうのではないかと。本当に怖くて、こんな病気には二度となりたくないと強く思いました。
退院はしたもののその後も心不全がたびたび再発して、1年の間になんども入退院を繰り返しました。そういう経験をしたので、食事、運動にも気をつけるようになって、処方された糖尿病の薬もちゃんと飲むようになりました。

D.ヴォイズ

今はどんな生活を送っていますか?

Oさん

薬は糖尿病関係も含めて全部で15種類出ているのですけど、朝昼晩きちんと飲んでいます。毎朝、血圧を測って記録しているし、毎日30分以上歩くことが習慣になりました。今はコロナ禍で在宅勤務が多いのですが、出社したときは昼休みに歩いたり、普段はペットの犬の散歩も兼ねて近所の公園まで行ったり。食事は奥さんが塩分とカロリーを計算して作ってくれています。お米が好きなので、以前は牛丼をどんぶり2杯とか食べていたけど、今は普通のお茶碗に軽く一杯ですね。おかずは肉よりも魚が中心になりました。体重は一番気をつけています。心臓への負担を考えると今の体重がリミットだそうです。毎日、体重をチェックしていて、オーバーしたら食べる量をかなり抑えるようにしています。

休みの日は愛犬と一緒にロングドライブするのが1番の楽しみ。
D.ヴォイズ

今までとは違う節制生活ですが、辛くはないですか?

Oさん

はじめはきつかったけど、入院したときのことを思えば苦になりません。入院しているときは水分も制限されていたので、とても辛かった。それと入院生活を経験して、お医者さんを尊敬するようになりました(笑)。それまでは医師に対する反発みたいなものがあったのですが、お医者さんや看護師さんが患者のために朝早くから働いている姿を見て、とても感激しました。この病気を経験して医師に対する気持ちが180度変わりましたね。今はお医者さんの言うことをよく聞く優等生です(笑)

D.ヴォイズ

入院が大きな転換期になったのですね。今、通院はどうしていますか?

Oさん

月に1回、近くのかかりつけのクリニックで診てもらっています。そして3ヶ月に1回、入院した病院で心電図やレントゲン検査をしています。それと半年に1回、近くの眼科で目の検査もしてもらっています。糖尿病の影響があったのかもしれませんが、網膜剥離になってしまったので定期的にチェックしています。

改めて思うのは「後悔先に立たず」

D.ヴォイズ

生死に関わる大病を経験し、それをきっかけに健康に気をつけた生活を送るようになった今、もし、タイムマシーンで過去に戻れて、30代、40代の自分に会うことができたら、なんと言ってあげたいですか?

Oさん

会社でやった健康診断の結果をちゃんと見ろ、と言いたいですね。そして何か異常を指摘されたら病院に行け、と。せっかく会社で定期的に健康診断をしてるのに、それを活用しないのでは意味がない。糖尿病に限らず、結果を知るのが怖い人もいるようだけど、体を壊してから、「こういうことになる前にきちんとしておけばよかった」と、反省しても後の祭りですから。

D.ヴォイズ

現在の体調はいかがですか?

Oさん

2年前ぐらいから体調も体力も回復し、心臓の調子も安定してきました。このまま糖尿病にも気をつけて健康を崩さぬよう現状を維持したい。ドライブが趣味で以前は北海道や九州まで車で行ったこともあるのですが、これからも奥さんや愛犬と一緒に色々なところへ行きたいですね。

D.ヴォイズ

ありがとうございました。

D.VOIZEが感じたこと

今、60代前後の方はバブルを体験した世代。仕事もプライベートも忙しく、自分の健康は二の次だった方も多かったでしょう。特に糖尿病は40代以降に増える病気です。若い頃のツケが今になって回ってきたとは考えたくありませんが、自分が「“オジサン”、“オバサン”になったかな」と感じたら一度自分の生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。糖尿病治療の目標は食事や運動に気をつけて病気をうまくコントロールして、健康な人と変わらない生活をおくること。いつまで続くか先が見えないコロナ禍で生活習慣も乱れがちな今だからこそ、健康には意識的でありたいですね。

“糖尿病でも健康”な毎日を。